症状
40代 女性
肩こりを訴えて来院。
肩こりは慢性的で、10代の頃から始まっている。
中学生の時には肩こりの症状を緩和する為に対症的なケアを行っていた。
就職してからはずっとデスクワークで、徐々に辛くなってきている気もするが、よく解らない。
殆ど何をやっても恒常的に良い状況にはならない。
分析
首、肩、肩甲間部の筋肉は緊張し、首の可動域はやや減少していた。
伸展、側屈にはやや可動域の減少が見られた。
猫背ではあるが、座った時に頭部が前に出ており、やや撫で肩、巻き込み肩が見られた。
呼吸が浅く、胸郭の動きは減少していた。
構造的なバランスを主体に問題のある関節にアプローチ。また、付随する筋肉を正常化するように調整した。初回の施術後から1ヶ月後には自覚的に肩こりの辛さは減少し、2ヶ月後には初回時の4割程度まで減少していた。4ヶ月後には仕事の忙しさに左右はされるものの肩こりの自覚がない、忘れている日がある。
肩こりはよくある症状ですが、慢性的で長期間、運動学的な問題がないケースは自覚的な誘発因子が不明瞭なケースが多々あります。
忙しいから、目を使ったからといった明確な理由がない為に、本人も予防するすべを持たず、対策を取りにくいケースです。
今回のケースは胸郭の動きが著しく悪く、頭の位置が前に行ってしまう、肩が落ちてしまうといった複合する構造的なバランスの問題が根底にありました。関節の運動学的な問題もさして無く、エクササイズしてもあまり変わらない。寝起きは少しは良い気もするけど・・・と仰っていた本人も、理由はともかく肩こりだとしか言いようがないケースです。
ご本人が一番辛い筈なのに、辛さに慣れてしまう・・・我々はよく見ることとはいえ、少しでもお役に立てるようにと強く再認識させられます。原因が特定できない、糸口がつかめない時に今までとは違う視点で見るということは重要です。我々が万能だとは思いませんが、違う視点という意味ではお役に立てるかもしれません。