症状
慢性的な首の痛みと腰痛。
昨年から在宅勤務が始まり、その時期から首の痛みが出てきました。
首を動かしたときには痛みがあり、仕事をしているときにも違和感がある。
仕事中は気づいたら猫背になることを自覚している。
ジムでウエイトトレーニングを習慣にしているが、
ある日のトレーニング中にウエイトを持ち上げたときに腰を痛めてしまった。
靴下を履く時、長時間座っている時、立ち上がりの時に痛みがあるが、
脚に痺れなどはない。
分析
首を動かしてもらうと、可動域に大きな左右差はない。
頭を押し、首に圧迫を加えると、首に少し痛みがあった。
頚椎の触診では、強い圧痛があり、首の筋肉にも強い緊張と圧痛があった。
腰については、身体を前後に少し倒すと痛みがあったり、
ねじる動作でも硬さがあった。
腰・お腹の筋肉は、緊張している。
腹筋の筋力検査をすると、極端に弱い。
腹筋の状態で維持してもらうと、身体は小刻みに震え、
首の筋肉に力が入っている。
大きく深呼吸をしてもらうと、肋骨の動きが悪く、十分な呼吸が出来ていない。

首の筋肉が固まってしまい、関節に圧迫のストレスがかかっているために、
それを解放するために筋肉を緩めながら矯正をした。
首に張り感はあるものの、動かしても痛みがない状態になった。
腰は歪んだ骨盤、可動性が低下した肋骨を矯正し、
腹筋の機能低下、腰の緊張を取っていき、
骨格的にストレスがかからないようにする。
骨盤・肋骨の矯正で、身体を前後に倒す動作や靴下をはく動作をしてもらうと、来院時よりも痛みが半減した。
その後は腹筋を使うようにエクササイズ、
肩が上がらないように呼吸をすることを意識してもらいつつ、施術を継続。
この症例は姿勢不良に加え、首の筋肉が、
腹筋の弱さ、肋骨の硬さをカバーし続けたことによって現れた症例です。
デスクワークの時に、首と肩に無意識に力が入っていて、
その状態が続いたために首を圧迫して痛みが現れました。
(痛みをまねいたのは姿勢不良)
圧迫部位を解放することで痛みは落ち着いていきました。
違和感は、人により感じ方は違うと思いますが、
多くは「張り」「凝り」など痛みではないものを訴えます。
今回の症例はトレーニングをする習慣がある方です。
トレーニングの時に息があがります。
空気を取り入れるために、胸郭を拡げますが、
動きが悪いと十分に空気が吸えず、早い呼吸になったり、
肩を上下される呼吸になったりします。
いずれも首の筋肉を使うものです。
それにより、首に疲労が積み重なり、
違和感を感じるものになったと思われます。(肋骨の硬さ)
腹筋の検査で現れた首の筋肉を優位に使うは、
腹筋の弱さをカバーしていています。
腹筋運動をしたとしても、首のトレーニングになってしまいます。
お腹・腰の前後のバランスを取っていけば、
腰痛の改善と首の筋肉を優位に使う現象は落ち着き、
首の違和感も消えていくでしょう。
前後のバランスが取れていない今の状況で、
トレーニングをすれば、再発も考えられます。
そのために、腹筋のリハビリをして、徐々にステップアップしてくのがいいと思います。