ダンス、舞踊、パフォーマンス・・・。
今回はプロからアマチュアまで、ダンサーやパフォーマーをケアする上で我々がチェックする一つの特徴について触れたいと思います。
どんな踊り、ダンスであれ、地球上で踊る限りにおいて重力から逃れることは出来ません。
ですので、ケアや評価をする上で、踊りやダンスを重力を基準に概ね二種類に分類します。
1,重力から逃れたいか
2,重力を活かしたいか
解りやすく分類すると、重力から逃れ上に吊られる様に踊るバレエは1、地面を踏みしめ大地を蹴るフラメンコは2になります。殆どの踊りやダンスによって傾向は決まっていますが、これらの動きが複合しているものもありますし、振り付けによっても異なります。
この二つを分類する大きな理由は地面からの反力をどう使っているか、若しくはどう使うべきかという点です。
地面をタップするのと、地面から浮き上がるのでは身体の使い方は異なります。例えば、バレリーナが滞空時間を取りながらジャンプする時の地面の蹴り方では、フラメンコの様に強く地面を踏み叩く事はできません。反対に、フラメンコの様に足を強く打ち付けてしまうとバレリーナは跳ぶことができなくなります。
強く、激しく地面を叩くステップを踏むのと、軽やかなステップの差・・・とでも言えば良いのかもしれませんが、足の使い方、地面の踏み方、捉え方が異なるダンスでは、故障の傾向にも違いにが現れますし、同じように足首や膝を痛めた場合でもケアやリハビリのメニューも異なってきます。
仮に、地面を強く踏みしめる必要がある場合に、膝の皿や大腿四頭筋に問題を抱えた場合は素早いステップが踏めなくなり、ハムストリングや腸腰筋に問題があれば強く良い音が出なくなります。
反対に、地面から離れようとする動きであれば、腸腰筋や殿筋で地面を押して跳び上がる必要があります。(実際は跳び方にも差があります。)
どれだけ練習しても、いくら強く踏みしめても、全く良い音が出ない、素早くステップが踏めない、高く飛べない・・・その理由は身体、身体の使い方にあるかもしれません。