症状

10年来、慢性的な腰痛と足のしびれがある。
コックとして厨房に入ってからしばらくして腰痛を感じるようになり、徐々に悪化。その後、右足にしびれが出るようになり、整形外科を受診した所、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。投薬と牽引で痛みは一時的に収まったが、仕事に拠る疲労が重なると、腰痛が悪化し、足にしびれを感じる。

分析

神経学的検査では特に問題はなかったが、臀部から裏もも、ふくらはぎまで常時しびれた感覚、鈍い感覚があった。また、腰部から臀部の筋肉は強く緊張し、裏もも(ハムストリング)にも強い緊張が見られた。
また、痛みの為、腰が引けていて後重心(かかとに重心が乗っている状態)で、しびれた右足に大きく重心をかけないように傾きがあった。
また、可動域では腰を伸ばす動作で痛みがあり可動域も減少していたが、しびれの再現や増悪はなかった。

施術

施術では、固くなった腰部、臀部の筋肉、可動域に問題がある腰部の関節にアプローチ。
付随して、ハムストリングや臀筋群には動的なストレッチや、エクササイズを行ってもらった。
ハムストリング、臀筋群の機能回復と共に、姿勢的なアプローチを加え、更に筋肉の機能回復トレーニング、リハビリを行ってもらった。
初回、施術後から3ヶ月後には通常の動作、仕事では腰痛が解消し、しびれも7割程度減少した。
その後、更なる状態改善に向けて仕事上の動作、立ち方などを変えてもらった。
・包丁を使う時の立ち方(重心を左右均等に、半身にならないように)
・物を持ち上げる時の姿勢(前傾しないように、しゃがんで)
以上の二点を主に、更に継続的にトレーニングとリハビリを続けた結果、初回施術から5ヶ月後には元々あったしびれ感は左右差を自覚できないくらいに回復している。

厨房で働く、料理人やコックさんは腰痛持ちの方が多く、悪化している人も多い傾向があります。立ち仕事、中腰、足元が冷える、靴が硬いなど色々な原因はありますが、蓄積する疲労に対応するには一定のケアやエクササイズが重要です。職業病だと思って諦めずに原因を捉え、対応することが肝心です。