症状
50代 男性
慢性的な腰痛としびれを訴え来院。
座っているとお尻から足に痺れがあり、立ち上がると腰に痛みがある。
20代の頃から腰痛があり、仕事が原因だと考えていた。
当時はマッサージなどで一時的には回復していたが、徐々に痺れが出始め30代では今と同じような症状になっていた。
整形外科を受診しレントゲン、MRIなどの画像診断でも問題がないと言われた。
分析
腰部は、伸展(反らす動き)で可動域の低下と軽度の痛みがあった。
腰部の筋肉はコリ感はあったが圧痛は見当たらなかったが、殿部の筋肉には強い圧痛があり、圧を加えると足のしびれが再現された。
座っている状態で膝を抱える動きをすると右の股関節につまったような感じと軽い痛みがあり、左と比べると明らかに可動域が低下していた。

腰部の関節の機能低下と殿部の筋肉の問題に同時にアプローチ。
関節の機能低下改善は手技で、殿部の筋肉には手技と器具を併用的に採用した。
関節の運動学的なチェックを基準に、しびれや痛みといった主訴の変化を評価するよう計画した。3回目の施術後には腰部の伸展(反らす動き)の可動域は正常化し、5回目の施術後には膝を抱える動きの左右差はほぼ無くなっていた。痛みの程度は3~5回目の施術中には腰痛は半減していたが、しびれは顕著な変化がなかった。
次に関節と筋肉の連動性や安定性の機能評価を加えつつ、殿部の筋肉の問題に更にアプローチを行った。8~10回目の施術後には腰痛の自覚は殆ど無くなり、しびれも半減していた。初回の施術から3ヶ月後にはしびれもほぼ無くなっている。
以前書いたケースを見て来院された方です。
長期の症状に関しては理由もそうですが、根が深く、時間がかかる事も多いのですが、糸口があると今回のように割とスムーズに運ぶ事もあります。魔法のように・・・とは行きませんが、新しい視点という意味で何かお役に立てれば思います。