症状
20代 男性
右臀部から右下肢への痛みを訴え来院、整形外科を受診した際に、
画像診断から腰部椎間板ヘルニアからの座骨神経痛と診断され通院していた。
その他マッサージなどにも通い、いろいろな治療を求める中で来院された。
分析
右臀部から右下肢に続く痛みではあるが、細かくお話を伺うと、
右下肢に関しては右膝裏にしこりがあり、この1点が痛むとの事で、
単純にこの部分を押しても痛みは発生する。
臀部に関しては全体的に押されるとやや痛いといった感じで
神経痛による連なった痛みとは別のものと判断。
もともと、陸上やバスケットボールなどの経験があり、
両足ともに何度か捻挫、右足に関しては指の骨の骨折経験もあり、
このため足部が不安定な状態であった。
この影響から重心が右に流れ、右下半身が全体的にピン緊張していました。
神経というよりは、筋骨格の過緊張と考えられます。
かかと部分に右足だけタコができており、
分かりやすい指標として本人も重心の偏りが起きている事は納得できた様子でした。
この方は反り腰傾向があり、これも下肢の緊張を強くする原因になるため、
下肢と合わせてこの2点を中心に筋バランスを調整。
歩き方に関してもいくつか指導を行いました。症状は順調に回復しています。
今回のケースですが、画像所見でヘルニアが見られても、
それが必ずしも痛みを引き起こすとは限りません。
実はヘルニア自体は珍しくなく、画像診断を行えば腰痛の有る無しに関わらず
六割くらいの人に発見されます。
ヘルニアが痛みを引き起こすケースは3%程度と言われ、
実際には別の原因である場合が多いのです。
ヘルニアと診断された腰痛がいつまでたっても改善しない方は、
セカンドオピニオンも検討されてはどうでしょうか。