症状

50代 男性
腕のしびれを訴え来院。数週間前から左の肩から肘あたりにしびれを感じ、徐々に悪化してきている。在宅、オフィス問わずデスクワークをしていると徐々にしびれが悪化し、スマホやタブレットを使っていても悪化する。
整形外科を受診し、レントゲン検査、MRI検査を受けたが骨、椎間板には目立った所見がなく、首の弯曲がなくなっているいわゆるストレートネックであると言われた。牽引を行ったがあまり効果が感じられず、翌日に調子が悪くなるように感じた。

分析

頸部の伸展=頭を後ろに倒す動きを行うと、頸部に局所的な痛みと腕のしびれが再現された。また、可動域も半減していた。自覚的な首肩コリは無かったが、頸部の筋肉は緊張していた。また、姿勢は過度に胸を反らす姿勢になっており相対的に背部全体の筋肉に強い緊張が見られた。

施術

頸部の筋群と関節の機能低下を改善するようにアプローチし、過度に胸を反らす姿勢を変えるように補助的なエクササイズを指導した。施術4回目で自覚的なしびれは半減し、しびれの範囲は3割程度に減った。また、しびれる頻度は4割程度に減少。8回目までには殆どしびれは消失した。

今回のケースは、事前の自覚症状があまりない、しびれてはいるが痛みがあまりない、中高年男性が多い、といった特徴をがあるように思います。いわゆる椎間板ヘルニアのような明確なしびれの原因が見当たらないのにしびれが出るといった感じで、悪化させる要因は様々ですが比較的しびれの感覚は殆ど残らない事が多いようです。予防的なコンディション調整やエクササイズができていればそれほど再発もしないのですが、一旦症状が収まったあとに放置されているケースだと数年後に再発、という例もよく見かけます。と、姿勢を意識する方が増えたからか、特徴的な胸を張ったような姿勢の人が多くなっている気がします。一見、姿勢が良さそうには見えますが、首肩には猫背とは違う負担をかけるので問題の原因になります。背筋を伸ばせ!胸を張れ!という呪縛が影響しているのかもしれませんが、構造的な良い姿勢とは異なる概念なので中々難しいところかもしれません。