<症状> 

50代 女性 

数日前から左肩甲骨上部に痛みが出現した。 

痛みは徐々に治まりつつあるが、動作時に痛みが残る。 

症状に伴ってのしびれや頭痛はないものの、頭痛持ちである。 

頭痛の予防のために枕を変えたことで背中に痛みが出たかもしれない。 

頭痛は朝から出ることは少なく、日中に出ることが多い。 

<分析> 

自身で首を動かすと左肩甲骨上部に痛みがあるが、他動的に動かすと痛みはない。 

首に対して圧迫、伸張の不可をかけても痛みに変化はない。 

僧帽筋、肩甲挙筋に押圧を加えると痛みとともに肩甲骨まで痛みが広がる。 

身体を反らす動作をしてもらうと、痛みは出ないものの伸展制限がある。 

後頭下筋群に押圧を加えると、痛みが前頭部にまで広がる。 

胸鎖乳突筋にも押さえることで痛みはあるものの、頭部まで痛みは広がらない。 

<施術> 

首の動かす動作に左右差があるため、筋肉を緩めバランスを取っていき、 

頚椎に動きに制限があるところに矯正した。 

胸椎にも動きをつけ、矯正をして後頭下筋群も緩めていった。 

<考察> 

今回の症例は、背中の痛みは肩甲挙筋のトリガーポイント、頭痛は緊張型頭痛の可能性と思われる。 

枕を変えたことで頭、首を支えるポイントが変わり、筋に対して伸張性のストレスをかけていたと思われる。そのために動作時に痛みが現れたが、時間経過で筋が緩み痛みが和らいだ可能性がある。ただ、関節にも制限があったことで痛みが残っていたと思われる。 

頭痛については、不良姿勢によって、背部・後頭下筋群が緊張し、頭痛が出現したと思われう。 

この方は、自宅でも背中を反らすためのエクササイズや首に対してのケアを行いつつ、継続的に施術を行う。