先日、67歳の男性が腰痛を訴えて来院されました。

1週間前から左の臀部に痛みが出はじめ

徐々に左下肢に痺れを感じるようになったと。

3ヵ月前から膝が悪く整形外科を受診していて、リハビリに通っています。
先日の受診の際に左臀部の痛みを伝え、腰の牽引治療も始まりました。
しかし、痛みは強くなり、下肢への痺れも出てきました。
心配になり当院を訪れたとのことでした。

検査から神経圧迫が腰椎でみられると判断し施術を行いました。
施術後は痛みも痺れも改善しました。
3日後に痛みが戻ったと再度来院されました。
前日に牽引治療を受け痛みが再発したとのことでした。
チェックをし、やはり初回と同じように施術をし改善しました。
よくよく話を聞いてみると、牽引治療後は毎回痛くなるとのことでした。
ですので、整形外科の先生にその旨を伝えて、牽引治療を止めてもらうよう頼むように伝えました。
以後、痛みは出ていません。

今回の事例は良くあることです。
牽引治療は腰全体を引っ張ります。
その際に重要なのが、角度、重量、患者の体勢です。
また、神経は伸ばされることに弱く、神経の圧迫がどこかであり、
その圧迫がうまい具合に軽減するように牽引が出来ないと痛みが増悪することがあるのです。
牽引治療が悪い訳ではなく、単純なようで塩梅が難しいことが多々あるということです。

今後、牽引治療を受けることがあった場合は、治療中、後に違和感、痛みがないことが正常です。
少しでも違和感や痛みを感じた場合は、必ず担当の医師に伝えて下さい。
良いことをしていても、ダメになるケースがあるというお話でした。
みなさん、お気をつけください。