<症状>
プロゴルファー。
数年前に左腰を痛め、それから長時間の運転で違和感があり、
そこから動き出すと痛みを感じるようになった。
電気を当てて対処しているが、なかなか良くならない。
フォローからフィニッシュの際に左腰がうまく回らず、思うようなフィニッシュが取れず、
スイングが安定しないことが悩みで来院されました。
<分析>
姿勢と可動域から、左股関節が外側に流れやすく、上体が右に傾いていた。
脊柱の後弯が若干あった。
関節と筋肉では、左仙腸関節の後方変位、左大腿筋膜張筋と中殿筋の筋力低下、
左腰方形筋、腸腰筋の過緊張がみられた。また、左の腰筋群と殿筋には過緊張が見られた。
静止時の姿勢、可動域、筋力、動きにおいての身体のブレを考慮し、
スイング分析を行った。左に踏ん張りが利かず、左の股関節と仙腸関節、
左の起立筋に負担を掛けていた。これが、根本的は原因と考えられた。
<施術>
過緊張を起こしていた右の筋肉を緩和し、
筋力がうまく発揮されていない右の外転筋に対してアプローチ。
そして、左の仙腸関節と脊柱後弯に対して動きをつける施術を行い、
筋力をチェックすると7割ほど筋力は戻っていた。
最後に、スイングをしながらグラストン治療をし、動きの微調整を行った。
施術後は、ここ数年感じることのなかったスイングが出来たと喜んでいた。
ストレッチを指導し、自宅でやってもらう。
今後は施術に加え、筋力の正常化と長い間の癖で起きた癒着の除去を行う。
プレーをしながらの施術になるので、中長期的な計画を立て継続治療中。
<考察>
今回の原因は、左の踏ん張りが利かないことで軸がブレて身体が回らないことと、
背中の後弯(猫背)があることで、上半身と下半身の前後軸を崩し、
回転とフィニッシュでのしなりを制限していたことが原因でした。
フォローからフィニッシュにおいて、外に流れながら左股関節軸で回るので、
上半身への回転もうまく伝わらず、しなやかなフィニッシュ姿勢が取れなくなっていました。
特にアマチュアの方は手打ちになりスライスが多くなりますし、
手首や肘を痛める原因にもなります。また、身体が回らないので、
腰痛や背筋痛の原因にもなります。
身体の異常を戻して、いいスイングを手に入れましょう。