症状
40代 男性 植木職人
今朝、仕事の車から荷物を降ろしているときに右腰を痛めた。
脚立を使い、車の荷台から荷物を(チェーンソーなど)を降ろしていた。
荷台から荷物を取り、体をねじって右後方の地面へ置くいように作業していた。
その際に、右腰に「グリッ」というずれたような音がして、
同時に強い痛みがあり、動けなくなった。
右に体重をかけたり、体を起こす角度によって強い痛みがあり、
ゆっくりとした動作で来院された。
時折、強い痛みに耐え動けなくなっていた。
過去に腰痛の経験もなく、今回が初めてということ。
分析
姿勢は体が左に傾き、少し前かがみになった状態であった。
しびれや感覚の異常などはなかった。
腰の可動域検査では、右側屈、右回旋、伸展で右腰に痛み。
屈曲は不安感はあるが問題なかった。
触診では右の大腰筋、腹斜筋、腰方形筋に強い緊張がみられた。
右の殿筋は立位では力が入っているが、伏臥位では緩んでいるので、
補正による緊張と判断した。
右仙腸関節、下部腰椎に可動制限がみられた。

症状が急性のため、顕著な熱感は感じられなかったが、
念のため下部腰椎から仙腸関節にかけて、
アイシングとホットパック後のオイルマッサージを行った。
緊張の強かった大腰筋、腰方形筋、腹斜筋を順に緩めていき、
その後に右仙腸関節と下部腰椎をアジャスト(矯正)した。
最後に腹筋群へ筋膜リリースをし初回は終了。
終了時点で歩いての痛みはなくなったが、
深く右側屈をすると多少の痛みが残った。
器質的な問題も考慮し、家での過ごし方、アイシング、腰痛ベルト、
を指導した。
今回の症状は、体をひねった際におきた
「ぎっくり腰」です。
痛めた状況と体に出ている反応が分かりやすい症状でした。
脚立という不安定な場所に立って、重いものを持ち、体をひねりながら、
後方のさらに自分が立っているところより下に降ろすわけです。
とても負担がかかる状態です。
今まで痛めたことがない方でも、少なからず蓄積されているものはあります。
こういったことがきっかけで、腰を痛めてなかなか治らない。
そういう方をたくさん見てきました。
面倒でも日々の作業で負担がかかりそうな動作は、
負担を考えて行うようにしましょう。